ザキラ様は人造人間という妄想を小説にしてみました。オアシス視点。
超俺設定の上、初小説なんで多分読みにくいかと。
それでもよければどぞ!
【名前】
「名前?何だそれは」
まさかこのような答えが返ってくるとは思わなかった。
私がガルドへ入ったのは一年ほど前のことだった。ガルドの一員となる条件は自分の名前を捨てること。
気にすることはなかった。憧れのヤエサル様に近づくことができるのだから。名前をくれた両親ももういなかった。
捨てた名前の代わりにもらったのがNo.100という番号。最初はみんなここから始まる。あとは実力次第だ。
私が秀才なのか日々の努力の賜物か、私はかなりの早さで昇格していった。
そんななか、変わった少年がいた。青い肌と赤い目という異様な容姿をしており、歳は私と同じくらいだろう。なんと彼は私がガルドに入ったときにはすでに一桁台の位についていた。
そんな彼の様子がおかしくなったのは私がガルドの一員となってからしばらくたってからだった。彼は立て続けにデュエルに負けるようになったのだ。
私には不思議だった。彼はあきらかに手を抜いている。手を抜くことがどんなに相手に失礼か、そして自分を裏切る行為なのか私はガルドに入る前から、そして入った後も教えられてきた。ゼウス様もヤエサル様もあきれたのか彼の位を一気に落とした。
それでも彼は適当なデュエルを続け、またさらに位を落とされた。
そして今、彼は私の前にいる。
「なぜあんなに酷いデュエルをしたのですか!?あんなに高い位にいたのに!もう少しで称号だって!」挨拶もそこそこにわたしはその疑問を彼に放った。
彼はしれっと答えた「位にならば簡単に取り戻せる」
私は何か言おうと口を開きかけたが、彼はさらに続けた。
「お前に興味があった。数ヶ月前お前はNo.56とNO.32の遺体を見て泣いたな。他にも泣く者がいる。なぜなのだ?お前ならば教えてくれると思ったのだ」
そういえば、と思い出した。ガルドはヤエサル様を守るため、命を落とす者が多い。その死を悼む者もいるがぞんざいにする者がほとんどだ。正直これには不安を持たざるをえなかった。
特に彼は酷く、数ヵ月前彼が死んだ仲間をひきずって焼却炉に放り込もうとしたところを私が問い詰めたことがあるのだ。
私は彼にぶつけるようにその疑問に私なりの考えで答え、さらにデュエリストとしての礼儀も問いただそうとした。
しかし彼は脳や心臓やらがどうのこうのと話し、結局私の話をいまいち理解できなかったようだった。
おまけに彼の言っていることも理にかなっているように聞こえ、ついには私が正しいのかどうか分からなくなってしまった。
あまりいいとは言えない対面だったが、どうやら彼は私のことが気に入ったらしい。相変わらず適当なデュエルを続けていたが、それも私の近くにいるように位を保っているためと気がついたときは少し嬉しくなった。
さらに付き合っているうちに、彼が全く世間のことを何も知らないということに気がついた。
彼に年齢を聞いてみたとき、「作られてから五年目だ」と答えたときはその表現にいささかひっかかりを持ちながら私の三つも年下だということに驚いた。その歳でガルドの一桁台の位にいたのだ。これこそが天才なのだろうか。
そして彼と付き合って数週間後のある日、私はガルドの一員となる前の本当の名前を教え、彼に本名を聞こうとしのだ。
しかし彼は知らなかった。
「前の名前ですよ!?」私は驚いて聞き直した。
「前の?前はNo.3だったではないか。お前も知っているだろう。」
「違います、その前のですよ!」
「5だ」
違う。彼は勘違いしている。
「違います、あなたがガルドに入る前の名前です。まさか生まれたときにつけられた名前がNo.100だったなんてことないですよね?」
ほんのちょっとした冗談のつもりだった。
いや、実は感づいていたのかもしらない
彼の口から出た答えは
「そうらしい。物心ついたときにはすでにNo.72だったが。」
なんでもないように、普通のことのように言った。おそらく彼には自分が何を言っているのか分かっていなかったのだろう。
青い肌。作られたという表現。記憶より前からのデュエリストとしての能力。
ガルドという組織が命を軽んじる場面に会ってから揺らぎかけていた基盤がついに崩れていくようだった。
「……あなたが外に出たのはいつのことですか?」
「外に出たことなどない。ここは練習場、対戦場、研究室まで何から何までそろっているからな。」
確かにここはデュエリストならば喜ぶ設備が揃っている上、敷地は広大で私も行ったことのない場所もたくさんある。しかし……
「いつか私と外に出かけましょう。……No.84」
本当は番号で呼びたくなかった。だから本名を聞こうとしたのだった。
果たしてそれが正しかったのだろうか。
人の死を見て微笑む、再びはるか上に行ってしまった人を見て、昔を思う。
結局彼はついに命の重さをを理解することはなかった。
私もその重さを忘れていった。
はい、お粗末でした(゚∀゚)
しかも勝手にオアシス歳上だろう捏造。
ついでにザキラ様視点。現代。
思い起こせばオアシスのおかげだった。彼が私に教えてくれた。世界を。名前というものを。私に気がつかせた。私の人生を。私に名前がないことを。
知れば知るほど世界はおもしろかった。
知れば知るほど世間はくだらなかった。
知れば知るほど私の人生は虚しかった。
知れば知るほど怒りがわいた。
必死になって、私の人生を取り戻そうとした。
それが私の人生だったのだ
私はその人生を生ききったのだ。
うん。現代って言ったってもう亡くなられているんだよね(;д;)
だからこれは死ぬ直前の走馬灯ということにして。
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